海外研修3日目の8月21日、4月3日にマグニチュード7.2の地震に見舞われた台湾東部、台北市から鉄道で2時間弱に位置する花蓮に向かいました。
花蓮訪問は、青年局が長年取り組んでいる被災地訪問事業「TEAM-11」として実施しました。節目となる第50回を台湾で実施することで、"善の交流"の大切さの再確認に繋げたいと考えています。
花蓮県・市の基幹産業の一つに観光が位置づけられていますが、地震発災以来、観光客が激減しているとのこと。6月には、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表ら台湾在住の日本人約40名が観光で花蓮を応援しており、台湾でも大きく取り上げられたとのことです。
私たちはまず、花蓮県庁を表敬し、鈴木貴子青年局長から「今回はお見舞いのためだけにきたわけではありません。花蓮の様子を実際に見ることで、花蓮の魅力を日本に伝えたい」と、災害など困難な時に助け合う「善の交流」をより一層進める決意を花蓮の皆様に共有しました。
研修4日目の8月22日は、財団法人台湾佛教慈濟慈善事業基金会(略称:慈濟)を訪問しました。
慈濟は花蓮を拠点とし台湾、そして世界で自然災害対応などを行う慈善団体です。東日本大震災、熊本地震、能登半島地震の際も炊き出しなど、大きな支援を頂きました。
石川県を地元とする佐々木紀元青年局長より、「花蓮に行くならば能登半島地震の際に寄せてくださった温かな支援に直接感謝を伝えてきてほしい」とのリクエストに応えることができました。
意見交換の際には、被災県連から参加したメンバーからも慈濟に対して改めての感謝を申し上げました。
4月3日の地震の際に開設された避難所では、プライバシー保護のために設計されたテントが活躍し、日本でも話題になりました。これら防災グッズも、過去の震災での教訓を生かし自らデザインなども携わるなど、台湾における防災減災の要を担っているとのことでした。
日本は積雪寒冷地があること、津波への備えが必要なことなど台湾との違いもあります。しかし、「常に準備することで災害時にも迅速な対応ができる」との言葉には参加者誰もが共感し、日台の更なる連携で一致しました。
長く花蓮県選出の立法委員(国会議員)を務めていた蕭美琴副総統から、花蓮に行くならぜひ訪れてほしい、とご推挙いただいたのが「花蓮将軍府1936」という新しい観光スポットです。ここは、日本統治時代の軍士官の住居を改修し、今年4月にオープンしたリノベ複合施設で、カフェや雑貨店などが立ち並んでいます。
将軍府の構造や歴史についての説明を受けたあと、団員たちはそれぞれに新しい花蓮の観光名所を写真に収め、お土産を購入するなど限られた時間を過ごしました。
地元の皆さんからの「観光振興のために、こうして具体的かつ直接的な取り組みは本当に心強い」との言葉に、復興支援に引き続き取り組む思いを強くしました。